自転車と旅

北海道自転車ツーリング24日目 9月13日

とらべるまん 2011-09-05



   実際の走行距離 32.88   Km
   走行時間 2:20:12    
   平均速度 14.0   Km/h
   累積走行距離 2102.18   Km
   上昇高度 636   m
   累積上昇高度 14369   m
   消費カロリー 3494   Kcal

4時過ぎに起床。いつも通り紅茶を沸かして白米に水を吸わせる。
その間キャンプ場の一角にある夕日台に行ってみるとこんな素敵な風景に出会うことができた!
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沈み行く中秋の名月とウトロ港

日にちは変わっているが沈み行く中秋の名月である。(写真の撮影時間は4:32)
紅茶を飲むのも忘れこの美しい光景にしばらく見とれてしまった。今日はいい日になりそうな予感。

朝飯は昨日斜里で買っておいたアサリたっぷりの炊き込みご飯!同じく斜里で買ったとろろ昆布をたっぷり入れた味噌汁、いわしの蒲焼き風缶詰、野菜サラダ、定番のミニトマトだ。
いわしの缶詰はそのままでも十分美味しいのだが蓋を開けて鷹の爪とみじん切りにしたニンニクを入れて缶のままバーナーで煮ると一層おいしくなる。

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アサリの炊き込みご飯。うますぎ。

今回もおいしすぎておにぎり用に半分残すのにはかなりの我慢が必要だった(笑)そう僕は炊き込みご飯が大好物なのだ。

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もっと食べたい気持ちを抑えておにぎりにする。

昨日炊き込みご飯に使おうと買った日本酒(ワンカップ)、全部は使わないだろうと昨夜の晩酌で飲みだしたらやはりうまい!ついつい全部飲んでしまいそうだったが我慢したおかげでふっくらと仕上がった。ほどよいおこげもまた食欲をそそる。

他のチャリダー達も起きだしてきたので情報交換をする。
昨日夕方近くに知床五胡へ行った外国人チャリダーは結局8時過ぎに帰って来たとのこと、カムイワッカに行けないことを悔やんでいた。
連泊していたチャリダーは昨日知床五湖めぐりをしたが結構きつかったと言っている、今日は知床峠を越えるそうな。
チャリダー君のコースを聞いたら偶然にも僕とほぼ同じだった(笑)彼も連泊だ。

朝一の観光船を予約していたので劇坂を下ってクルーザーに乗り込み右舷を確保。8時ちょうどに出航。
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大型観光船のおーろら1とおーろら2

太陽がまぶしい!天気は最高だ!が、しかし・・・
ちょっと失敗だったと思いはじめる、逆光でまぶしすぎるのだ。もう少し遅い時間、もしくは午後の便にした方がよかったかもしれないと少々後悔する。

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フレペの滝(乙女の涙)滝の上に川はない

それでも1時間のクルージングで手付かずの大自然を十分に堪能することができた。次回は是非知床岬コースに乗船したい。

帰港し一旦野営場に戻る。
実は野営場に長期滞在している釣り師と親しくなり、釣った魚(カラフトマスかシロザケかは運次第)を分けてもらうために10時に待ち合わせしていたのだ。
ところが約束の時間を過ぎても釣り師は現れない・・・。
まぁ待っている間は管理人さんから知床のことやヒグマのことなど興味深いお話を聞かせて頂いたので、それはそれで有意義な時間ではあったのだが・・・

予定では10時に魚を受けとり、クール便で実家へ送ったあと、そのまま知床五胡とカムイワッカの滝へ向かうつもりでいたのだが、時間はどんどん少なくなっていく。
1時間半ほど待ったが、これ以上遅くなると日が暮れる前に帰ってくるのは難しいと判断し出発する。

知床自然センターから20分ほど歩くと、先ほどクルーザーから見たフレペの滝を上から見ることができるビューポイントに出る。
その途中外国人のおばさんが道を塞ぐようにして草を食んでいる鹿に興奮しまくりで写真を撮っていた、構わず僕がその脇を通りすぎようとしたら「鹿が逃げちゃうから行かないで!」みたいなことを大きな声でささやいている。
「No problem」と言って鹿の脇1mくらいのところを通り過ぎるが鹿はまったく関知せず草を食べ続けていた。振り返ると外国人のおばさんは口を大きくあけてままで固まっている、僕は手を振って先を急ぐ。

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上から見たフレペの滝(乙女の涙)ここも知床八景のひとつだ

クルーザーから見る滝と上から見下ろす滝の両方を見るとますますそのダイナミックさがわかる。
知床自然センターまで戻ってアサリの炊き込みご飯で作ったおにぎりをほおばる。うますぎ!ちゃんと噛んで食えと自分に言い聞かせながら、ちゃんと噛まずに食べきってしまう。

せっかく稼いだ標高だが岩尾別まで一気に下ってその貯金を使い切ってしまう。岩尾別から知床五胡までまた一から上りはじめることになる。
鹿の飛び出しには常に注意が必要だ、どう考えてもぶつかってしまったら轢かれてしまうのはこっちだろう。

知床五湖の駐車場も本来有料だが自転車はタダだ。
知床五湖すべてを回る全周ルートが復活していたのはラッキーだった


知床は世界的に見ても、ヒグマの生息密度が非常に高い地域です。その中で、知床五湖には年間約50万人もの方が訪れています。知床五湖を利用する人々の安全をどう守るかが課題となっていました。また、お盆の時期やシルバーウィークには、知床五湖の遊歩道内で渋滞が起きるなど、知床の自然をゆっくりと楽しむことさえできずにいました。 
そこで、平成17年から、地上遊歩道とは別に、高架木道が作られ始め、平成22年には1湖畔までの全長800mが開通しました。高架木道脇には電気柵が設置されており、ヒグマの影響を受けることなく、安全に知床の雄大な自然を楽しむことができます。
そして、平成23年からは、「利用調整地区制度」が知床五湖に適用されます。以前まで、ヒグマの出没があると、地上遊歩道は閉鎖されていました。特に五つの湖を全周するルートは、夏場はほとんど利用することができませんでした。せっかく知床まで来られた方々に、知床五湖を体験してもらうためにはどうしたらいいか。その問題を解決するために、この制度の導入となりました。
ヒグマへの対処の技術を持った登録引率者のツアーに参加することで、ヒグマがよく出没する時期(ヒグマ活動期:5月10日~7月31日)でも、知床五湖を楽しんでいただくことができるようになりました。また、8月1日~10月20日は植生保護期としています。植生への踏みつけなどの防止、ヒグマに対する基礎知識の普及のために、事前レクチャー(約10分)の受講を義務付けています。同様に一度に入る人数を制限することで、静寂な知床五湖をゆっくりと楽しむことができるようになっています。 皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

以上はこのページの引用だ

と言うことで有料(250円)のレクチャーを受講。
ヒグマに遭遇しないようにするための方法や植生保護のため遊歩道から外れて草花を踏まないように等のビデオとレンジャーからの注意事項を聞く、所要時間は10分ちょっと。

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ホワイトボードにはヒグマの出没情報が書かれている

終わると立入認定書をもらえる。
出口はそのまま五湖への遊歩道につながっており、レクチャービデオにあったように靴底をブラシで払い落としてから先に進む、原生林に外来種の植物を持ち込まないようにするためだ。
どちらからともなく一緒に受講した二人組の女性ツーリストと行動、お互いその方が心強い(笑)
レクチャーに従い「ホイホーイ」と原生林の中にいるヒグマに我々の存在を知らせるために声を掛けながら進む。「ホイホーイ」

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五湖

全周ルート(大ループ)は五湖から一湖へと逆順に進む、ゆっくり歩いて90分、急げば60分くらいでまわれる2.5キロのコース。このコースを辿るのは30数年ぶりだ。

レクチャーを受ける必要がない駐車場から一湖までの高架木道は観光客でごったがえしており大変な騒ぎだった。
人混みを掻き分け駐車場まで戻る、休憩所でエゾシカバーガーをぱくついて時計を見ると15時になっていた。
知床五湖の駐車場を出てカムイワッカの滝へと向かう、そのカムイワッカへ向かう分岐からすぐにダートになる。
上りにさしかかってすぐにタイヤを砂利にとられて足をつく、まだ5分と走っていない。時計を見て少し悩んだが先に進む。(タイヤは32Cのスリック)
だがまたすぐに足をついてしまった。やめる勇気も時には必要なこと、今がそうかも知れないと自分に言い聞かせてカムイワッカは断念することにした。

買い出しを済ませ、野営場に戻る。野営場までの劇坂にはもう慣れた。
キャンプ場の隣りにある「夕日のあたる家」のコインランドリーに洗濯物を放り込み、昨日に引き続き日帰り温泉(500円)に入ると気持ちよさそうに釣り師が露天風呂につかっていた。
こんちきしょうとばかりに露天風呂の扉を開ける、釣り師は僕を見るや否や両手を合わせチ○コ丸出しで謝罪してくれた。まぁ許そう(笑)
何でも今日に限って釣れなかったのだそうだ、午後も頑張って釣り続けてやっと約束した2匹を釣り上げてきたとの事。
お詫びということで翌日の発送手配をしてもらうことにした。

※後日談、釣り師が送ってくれたケースには翌日の朝に釣れたカラフトマスもおまけで入っていたそうだ。ありがとう釣り師。


風呂から出て洗濯物を乾燥機に移し、晩飯の仕度にとりかかる。
今夜は釣り師と一緒に晩酌、料理は持ち寄りだ。得意のパスタをつくりワインを持って釣り師の立派なテーブルで乾杯。
釣り師は「うまい、うまい」といってパスタを食べてくれた。
途中から釣り師の知人二人も参加。あれ?見覚えのある顔だ!
なんと網走湖で写真を撮ろうとしていた二人に「シャッター押しましょうか?」と僕が声をかけてシャッターを押したあげた二人だったのだ。
世の中は狭い。

明日は念願の知床峠越えだ。
距離的にも結構走る予定なので早めにテントに戻りシュラフに潜り込む。

以前は(といっても30数年も前だが)まだウトロ ー 羅臼間に道路はなく、それぞれ斜里もしくは標津まで戻ってからでないとウトロ ー 羅臼間は行き来できなかったのだ。