自転車と旅

北海道自転車ツーリング25日目 9月14日

とらべるまん 2011-09-05

   実際の走行距離 120.62   Km
   走行時間 7:18:51    
   平均速度 16.4   Km/h
   累積走行距離 2222.8   Km
   上昇高度 1004   m
   累積上昇高度 15373   m
   消費カロリー 4979   Kcal


4時起床、目覚まし時計はセットしていない。
昨日野営場にやってきた4サイドのランドナー乗りはもう起きていた、旅慣れているというか完全に自分なりの旅のスタイルを持っている、本格派だ。

起きてから出発までの一連の作業にはだいたい2時間半〜3時間かかる。
大ざっぱに書くと
起床 → 朝ご飯の準備 → 朝食 → 後片づけ → トイレなど → 撤収 → 積み込み・点検 → 出発
と言う感じだ。
僕の旅のスタイルはサイドバッグを自転車から外さない事を前提としている、なぜなら外してしまうと装着に15分以上はかかってしまう。
リア側の二個は35年前に買ったものだ、今回数十年ぶりに引っ張り出してみたら以外にも使えそうだったので多少の補修をしてそのまま使うことにした、懐かしさも当然ある、何せ35年前にこのバッグをつけて北海道一周しているのだから。
この古くて取り付けるのにとても時間のかかるサイドバックを使おうと決めた理由がもう一つある。それは現在もオーストリッチからDLXという型番で販売されていたことだ、前後で異なるバッグよりは統一されている方が良いに決まってる。
バックルの形状が違うことと35年という歳月で色が変わってしまっていることをのぞけばサイズもデザインもほぼ同じである。
取り付けが面倒なのと容量が13リットルと小さめなのが難点だが、丈夫さと旅の雰囲気を醸し出すには最高のバッグだと思う。

その一連の作業を終えて7時に野営場を出発。
知床自然センターまでの上りは昨日走って、その具合を知っているので気が楽だ。
知床自然センターを過ぎて知床峠への本格的なアタックがはじまる、勾配は想像していたよりも緩い、天気は曇天。

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知床峠は標高740mなのでちょうど半分上ったところ


まだ早い時間なので車の数も少ない、怪しい場所では「ホイホーイ」と声をかけながらひたすらにペダルを回し続ける。行く先には厚い雲、テンションが上がらない。
ウエアを少しでも濡らさないようにとタオルを首に巻いていたが、タオルはもちろんウエアも結局汗でびっしょりになって知床峠を制覇、思ったほどきつくはない、楽勝。

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千歳から車で来たという青年と写真の撮りっこ

峠にたどり着くまでに天気が回復することを願っていたが、その願いはかなわなかった。
峠にいる方々と口々に「何も見えませんね〜」と話しながらとりあえずシャッターを何枚か切る。
長い下りに備えダウンとレインウエアの上を着込んで知床峠を出発、舗装状態もいいし車も少ないのでついついオーバースピードになりがちだ。
峠を下り切る手前に熊の湯と言う有名な無料の露天風呂がある、ここまで標高差500mを一気に下って体はかなり冷えきっていたし、何よりもここは入らずには行かれまい。
女湯は完全に仕切られているが複数の人の気配がした、その奥に男湯がある、男湯には仕切りがないのでとても開放的で野趣あふれる露天風呂だ。
脱衣所には先客が二人いたけど、もう帰られるご様子、挨拶をし話をしながら服を脱ぐ。
かなり熱いお湯を風呂桶に汲んで体にかける、体が冷えきっているのでなおさら熱く感じる!「あちちッ」と言いながらかけ湯を続ける僕を二人は笑いながら見ている。
さていよいよ突撃、かけ湯で体はだいぶ熱さに慣れただろうと思ったが、強烈に熱い!それでも我慢していったん肩まで浸かった。3秒が限界、浴槽から飛び出す。
そんな僕の様子を見て二人はやはり笑っていた、そのうちのお一人(地元の方)が「よく入ったな」と褒めてくれた(笑)「一回肩まで浸かれば次は楽だから、あと1mくらい奥の方に入って見ろ」と言うので、言われた通りの場所に入ってみる。
熱いのは熱いが確かにさっきよりはぬるく感じる、これなら1分くらいは楽勝。
その方が言うには、この場所がこの風呂で一番温度が低い場所なんだとか。確かに数センチ動くと温度はまるで違う。
入っているのは自分一人なので一度風呂から出てカメラを取り出し、もう一人の方(旅人)にシャッターを押してもらった。

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無料の露天風呂「熊の湯」

「熊の湯を独り占めできるあんたはラッキーだね!」と言いながら「もう一枚」「あと一枚」とシャッターを切ってくれた旅人さんありがとう!

その後しばらくの間独り占めで熊の湯を思いっきり堪能する。
誰もいなかったけど「ありがとうございました」と挨拶して、神棚の下にあったさい銭箱に寸志を入れ熊の湯を後にする、汗がとまらない。
羅臼までの下りは最高に気持ちがよかった。熊の湯に入って知床峠越えと言う逆のコースは辿りたくないかも。

道の駅知床らうすに着いた頃はすっかり汗も引いていた
中をブラブラしていて珍しく僕の心を動かしたものがあった、ぼたんえび一匹40円!
5匹購入で200円、醤油はタダでもらえる。
さっそく近くにあったテーブルで朝にぎったおにぎりとともにいただく、甘くてプリプリ、味噌も新鮮で濃厚、これで40円!ありがとう北海道!

道の駅を過ぎてすぐにあった「純の番屋」には立ち寄らず、左手に国後島を見ながら向かい風の中335号をひたすら南下。

13時30分、標津サーモン科学館に到着。走行距離はすでに80キロを越えている。

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上の赤いやつはイクラのオブジェ


基本的にこの手の施設見学は大好きだ。サーモンとは関係ないがドクターフィッシュの水槽からなかなか離れることができなかった(笑)

しべつ海の公園オートキャンプ場(500円)には3時過ぎに入る、サーモン科学館からはすぐだ。今のところキャンパーは自分一人。ゴミはすべて引き取ってもらえる。

テントを設営しインスタントラーメンで腹ごしらえして再び自転車を漕ぎ出す。向かうは日本最大級の砂嘴、野付半島。
244号から左に逸れるとフラワーロードと言う右を見ても海、左を見ても海という絶対に迷いようがない一本道になる。荒涼としたなんとも寂しい風景だ。

枯死したミズナラの林「ナラワラ」を通過。北海道の風景としては特異な感じを受ける。

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ナラワラ


さらに一本道を先に進むと野付半島ネイチャーセンターがある。
時間は4時40分、ネイチャーセンターは5時までなので見学はあきらめる。と言うかもうすでに夕暮れが迫っている、ここからトドワラまでは片道30分近くも歩かなければならないのだ。
馬車だと15分で行けるそうだが営業はすでに終了していた。
9月も半分過ぎようとしている野付半島にはススキの穂が揺れている、その中をトドワラ目指して走る。
トドワラから戻ってくる観光客とは何人かすれ違ったが、向かおうとしているのは自分一人。
10分でトドワラの先端にたどり着く。朽ち果てたトドマツが荒涼さを増幅させて不気味な感じだ、しかも僕以外誰一人いない。
しかしながらこの風景を独り占めできるというのはとても幸せなことでもある。

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トドワラ


来た道を引き返す、ネイチャーセンターまでノンストップで走った。
自転車はもはやライトを点けないと走れない、トンネル以外でライトを点けて走るのは今回のツーリングでははじめてだ。
帰りは追い風を受け30キロ以上で快走し、標津の町の手前にある温泉「くすのき」には30分ほどで着いてしまった。
つるつるすべすべの掛け流しの温泉で疲れを癒す。料金は380円だ。
セイコマで晩飯の材料とアルコール燃料を仕入れキャンプ場に戻るとテントは3張りになっていた。いつも通り晩飯の準備をしていると隣りのテントの方が話しかけてきて、魚をたくさん買いすぎたから食べてくれと言うのでありがたく頂くことに。なんせ今日は知床峠越えで120キロ以上走っている。
消費したカロリーはメーター読みで4,979Kcalだ。


以下9月14日のツイート


おはようございます。昨日に引き続き国設知床野営場に連泊、二日目になると顔見知りもでき夕べは4人で晩餐。今日は知床峠を越え、行けるところまで行くつもりだ。

posted at 03:43:54

標津にあるサーモンパーク見学中。 http://twitpic.com/6kmy9i

posted at 14:06:29

野付半島ナラワラ http://twitpic.com/6ko2k1

posted at 16:21:49

RT @Tsuyoshiro_MTB: @kimukimuchi おー、いよいよ来たかぁー!

posted at 20:29:23

トドワラは遠かった!! RT @Tsuyoshiro_MTB @kimukimuchi おー、いよいよ来たかぁー! http://twitpic.com/6kqbyy

posted at 20:31:57

野付半島は北海道らしい道の代表格ですね! RT @ciao_marie @kimukimuchi きれいですね~。いい感じ。よくぞここまで...スバラシーo(^▽^)o

posted at 20:34:33

明日チョットだけ弟子屈をかすめる予定です。徹夜だったんですか?お疲れさまでした。 RT @tolio @kimukimuchi 今日は天気よさそうですね。素晴らしい一日を!じゃ、おやすみなさい...(笑)

posted at 20:37:51

知床峠越えて羅臼からは強烈な向かい風、標津海の公園キャンプ場にテント張ってから野付半島へ。本日の走行距離122キロ。疲れた。

posted at 20:43:42